当店の筆について

 筆に対する思い


  筆は道具です。見た目や格好良さよりも、書き易さ、使い易さを追求し、お客
 様の心の中から筆と言う道具に対する不安を無くしたいと思っています。その
 結果、当店の筆を使われる全てのお客様に、全身全霊で作品や、仕事に集中
 して頂ける様、日々精進を重ね、努力をしています。


 筆の手入れについて


  当店の筆の穂先は布海苔で固めてあります。新しい筆を使い始める際は、
 流水やぬるま湯の中で、穂先を指の腹等で優しく解して下さい。決して硯等
 でいきなり穂先を解さないで下さい。毛が折れてしまう事があります。折れた
 毛は元には戻らず、折れた毛が穂先全体の動きに悪影響を与え、書き難く
 なってしまう事があります。

  毛細管現象により軸の中、穂先の根本に墨や塗料が溜まってしまいます。
 ここに墨や塗料を溜めない様、流水やぬるま湯等で良く洗って下さい。墨は
 固まると体積が増えますので、穂の根本で墨を固めると毛と毛の間が広がって
 しまいます。根本で毛の間が広がると、穂先ではその何倍も広がってしまい
 ますので、穂先が纏まらなくなり、とても書き難い筆になってしまいます。

  そうならない様、使用後は直ぐに流水やぬるま湯で墨や塗料を洗い流して
 下さい。洗浄後は紙等でなぞりながら穂先の形を整えながら水気を切り、
 出来れば穂先を下にして、直射日光の当たらない風通しの良いところで乾燥
 させて下さい。次に使い始める際、穂先が前に使った墨や塗料で固まっている
 のは洗浄が不足しているからです。そうならないよう、丁寧に良く濯いで下さい。

  再度使う時に穂先が固まっていた場合は、新しい筆を使い始める時と同様
 流水やぬるま湯の中で指の腹で優しく固まった穂先を解して下さい。


 原料について


  現在使用している原毛は国内の他、中国、ネパール、ロシア、カナダ、
 フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、英国等の国々から、厳選して輸入
 した原毛を使用しています。





  西野天祥堂